秋葉原発!わずか4,280円でAI搭載のRISC-V開発ボード登場

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秋葉原の電子部品エコシステムから、画期的な開発ボードが誕生しました。千石電商株式会社と秋葉原電子部品協同組合が中心となり、中国のRISC-Vチップメーカーと共同開発した「AkiBoard-V1 AI Edition」が2026年1月15日に発表されたのです。注目すべきは、わずか4,280円(約29ドル)という価格でありながら、AI推論機能を搭載した本格的な開発環境を提供する点です。

これまで、AI機能を持つ開発ボードは高価格帯に限られていましたが、このボードは同価格帯では初めてオンチップAIアクセラレーターを搭載。エッジAI分野における開発の民主化を加速させる可能性を秘めています。

超小型サイズに詰め込まれた先進技術

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AkiBoard-V1 AI Editionのサイズはわずか50mm × 30mm。人気のRaspberry Pi Zeroよりもさらに小型です。しかし、その小さな筐体には驚くべき性能が詰め込まれています。

搭載されているのは、WCH(南京沁恒微電子)製のCH32V517チップ。RISC-V 64ビットアーキテクチャのデュアルコアプロセッサで、最大192MHzで動作します。RISC-Vとは、オープンソースの命令セットアーキテクチャで、従来Armが独占していた組み込み市場に新しい選択肢をもたらす技術として注目されています。

最大の特徴は、統合型NPU(Neural Processing Unit)の搭載です。これはAI推論専用のプロセッサで、最大0.5 TOPS(INT8)の性能を発揮します。TOPSとは1秒間に実行できる演算回数を示す単位で、この性能があれば音声認識や画像分類といったエッジAI処理を十分にこなせます。

メモリは256MBのDDR3 RAMと128MBのオンボードフラッシュを搭載。さらにmicroSDカードスロット(最大512GB対応)も備えており、拡張性も申し分ありません。接続性も充実しており、Wi-Fi 5とBluetooth 5.2を標準搭載。24ピンのGPIOに加え、I2C、SPI、UARTなど豊富なインターフェースを備えています。

開発者に優しいソフトウェア環境

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ハードウェアの性能だけでなく、ソフトウェア面でも充実した環境が用意されています。Arduino IDE互換のファームウェアやPlatformIOに対応しているため、多くの開発者にとって馴染みのある開発環境がそのまま使えます。リアルタイムOSとしてFreeRTOSやRT-Threadもサポートしています。

AI開発においては、TensorFlow Lite MicroやONNX Runtimeに完全対応。さらに、独自開発の「AkiNN」ライブラリも提供され、RISC-V環境でのAI開発を強力にサポートします。開発言語もC/C++だけでなく、MicroPython(ベータ版)やRustにも対応しており、モダンな開発スタイルを選択できます。

実際の性能として、音声コマンド認識モデル(20単語、96%精度)の推論を約45ミリ秒で実行可能。これは実用的なリアルタイム処理に十分な速度です。消費電力も通常動作時で平均300mW、省電力モードでは150mWと非常に低く、バッテリー駆動のIoTデバイスにも最適です。

秋葉原エコシステムが支える技術革新

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このプロジェクトの特筆すべき点は、秋葉原という地域の技術エコシステムを活かしたサポート体制です。毎週土曜日には技術講習会が開催され、初心者からエキスパートまで幅広く学べる環境が整えられます。また、Discord上に開設された「AkiDev RISC-V Forum」では、日本語、英語、中国語の3ヶ国語でサポートが提供されます。

すでに東京工業大学や電気通信大学が教材としての採用を検討しており、日本におけるRISC-V技術者の育成に貢献することが期待されています。これは、オープンソースハードウェアの教育面での活用という新しい潮流を生み出す可能性があります。

販売は2026年2月1日より、千石電商、秋月電子、マルツパーツ館などの秋葉原各店舗で開始され、オンライン販売も同時展開。海外発送にも対応します。2026年第2四半期には月産50,000個体制を確立する予定で、安定供給も見込まれています。

従来、Armアーキテクチャが独占していた低価格開発ボード市場に、オープンソースのRISC-Vが本格参入することで、開発者の選択肢が広がります。さらに、AI機能を手軽に試せる環境が整うことで、エッジAIアプリケーションの開発が加速するでしょう。ホビイストから小規模IoT企業まで、幅広い層にとって技術革新への扉が開かれたといえます。

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