レゴが教育用AIロボット「SPIKE Prime 2」発表、自然言語でプログラミング可能に

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レゴ エデュケーションが2026年1月15日、ロンドンで開催された教育技術見本市「BETT Show 2026」において、次世代教育用ロボットキット「SPIKE Prime 2」を発表しました。最大の特徴は生成AI搭載のコードデバッグアシスタント「CodeMentor AI」で、自然言語でのプログラミングを実現。日本でも2025年度から高校の大学入試に「情報Ⅱ」が本格導入される中、プログラミング教育の質的向上を目指す画期的な製品として注目を集めています。

AI搭載で「教えすぎない」学習支援を実現

SPIKE Prime 2の最大の革新は、単に答えを教えるのではなく、生徒の思考プロセスを導く対話型AIアシスタント「CodeMentor AI」です。例えば「ロボットを前に50cm動かして、青いブロックを検出したら停止」という自然な日本語の指示を、自動的にPythonまたはScratchベースのブロックコードに変換します。

エラーが発生した際には、3段階のサポートを提供。まずヒントを提示し、それでも解決しない場合は詳細な説明、最終的にコード例を示すという段階的なアプローチで、生徒が自分で問題を解決する力を育てます。UNESCO調査によれば、STEM教育教員の68%が「プログラミング指導に不安を感じる」と回答しており、このAI支援は教師の負担軽減にも大きく貢献すると期待されています。

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大幅に進化したハードウェア性能

ハードウェア面でも大きな進化を遂げています。メインハブには最新のESP32-S3デュアルコアプロセッサ(240MHz)を搭載し、従来モデル比で処理能力が4倍に向上。5×5のLEDマトリクスから128×64のOLEDディスプレイに進化し、より詳細な情報表示が可能になりました。

センサー類も大幅に強化されており、640×480解像度のカラービジョンセンサー、測定範囲5メートルの360度測距LiDARセンサー、6軸IMUセンサーを標準搭載。これらのセンサーにより、色認識、形状検出、高精度な位置推定が可能となり、より複雑なロボット制御を学習できます。

バッテリーは2600mAhのリチウムイオン電池で約8時間の連続動作が可能。USB-C充電に対応し、Wi-Fi 6とBluetooth 5.3 LEで無線接続も強化されています。

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プライバシー保護とオフライン機能

AI機能で懸念されるプライバシー面では、COPPA(児童オンラインプライバシー保護法)とGDPRに完全準拠。個人データは暗号化され、教育目的以外には使用されません。また、注目すべきはオフラインモードでも基本的なAI機能が動作する点です。

これはMicrosoft Phi-3 Mini(3.8Bパラメータ)をベースとした小規模言語モデル(SLM)を、50万件のプログラミング課題データでファインチューニングし、4ビット量子化したものをデバイス内に搭載することで実現。平均応答時間は2秒以下と高速で、インターネット環境がない場所でも学習できます。

開発環境「SPIKE App 2.0」はWindows、macOS、iOS、Android、ChromeOSに対応し、クラウドベースの「SPIKE Community Hub」では世界中の生徒が作品を共有・協働できる仕組みも用意されています。

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日本の教育現場への展開と今後の展望

SPIKE Prime 2は2026年9月から欧米・日本の500校でパイロットプログラムを開始し、2027年4月に一般販売予定。価格は449ドル(約65,000円)で、教育機関向けには30%割引が適用されます。日本の学習指導要領に対応した教材も提供され、文部科学省GIGAスクール構想第2期での採用も検討されています。

既存のSPIKE Primeユーザー向けには、ハブユニットのみのアップグレードキット(199ドル)も提供予定で、世界で推定15万セット導入されている既存ユーザーへの配慮も見られます。

MIT Media LabとGoogle Educationとの協力により開発されたこの製品は、プログラミング教育における「個別最適化学習」の新たな標準となる可能性を秘めています。競合のMakeblock、VEX Robotics、UBTECH Educationも同様のAI統合製品の開発を加速させると予測され、教育用ロボティクス市場全体の進化を促進することになりそうです。

レゴ エデュケーションは今後3年間で100万人の生徒にリーチすることを目標に掲げており、AI時代のプログラミング教育の在り方を大きく変える取り組みとして、その展開が注目されます。

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