レゴが教育用AI搭載ロボット「SPIKE Prime AI」を発表、自然言語でプログラミング可能に

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LEGO Educationが2026年1月15日、ロンドンで開催された教育技術展示会「BETT 2026」において、次世代教育用ロボティクスプラットフォーム「SPIKE Prime AI」を発表しました。これは8歳から16歳を対象とした、エッジAI機能を統合した世界初の教育用ロボットキットです。MIT Media LabやGoogle for Educationとのパートナーシップのもと開発されたこの製品は、子どもたちのAIリテラシー教育を根本から変える可能性を秘めています。

クラウド不要のエッジAI技術を搭載

SPIKE Prime AIの最大の特徴は、インターネット接続を必要としない「エッジAI」機能です。新開発の「Hub AI」コントローラーには、Raspberry Pi RP2350をベースとしたカスタムチップと、13 TOPS(毎秒13兆回の演算)の性能を持つNPU(Neural Processing Unit=ニューラル処理装置)が統合されています。

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この技術により、音声認識、物体検出、ジェスチャー認識といった高度なAI機能を、すべてロボット本体だけで実行できます。従来のSPIKE Primeでは外部サーバーとの接続が必要だったAI処理が完全にオンデバイス化されたことで、教室環境でもインターネット接続を気にせず、安全かつスムーズにAIロボティクス教育が実施可能になりました。リアルタイム実行速度も従来比3.2倍に向上し、毎秒30フレームの画像処理を実現しています。

「赤いボールを拾って」が実際のコードに変換される革新

もう一つの画期的な機能が、「SPIKE AI Blocks」と呼ばれる自然言語プログラミングインターフェースです。これは子どもたちが日常の言葉で指示を出すと、それが自動的にプログラムコードに変換される仕組みです。例えば「赤いボールを見つけたら拾って箱に入れる」と入力するだけで、実際に動作するブロックコードが生成されます。

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プログラミング環境は「トリリンガル対応」となっており、ブロックコーディング、Python、自然言語の3つのモードを即座に切り替えられます。これにより、プログラミング初心者は自然言語から始めて徐々にコードの仕組みを理解し、最終的にはPythonでの本格的なプログラミングへとステップアップできます。プログラミング教育の最大の障壁とされてきた「構文エラー」の問題を、この自然言語入力が解消します。

さらに注目すべきは、AI倫理教育への配慮です。カリキュラムには「AI倫理」「バイアス理解」モジュールが標準搭載されており、小学校低学年の段階から、AIの可能性だけでなく課題についても学べる設計になっています。Google Teachable Machineとの統合により、学生自身がカスタムAIモデルを訓練することも可能で、機械学習の基本概念を実践的に体験できます。

世界の教育現場への展開と日本での導入予定

LEGO Educationのプラットフォームは、2025年時点で世界150カ国・20万校以上で採用されています。このグローバルネットワークへのAI統合により、教育現場へのAI技術普及が大きく加速すると期待されています。

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販売は2026年9月から北米・欧州で開始され、日本を含むアジア市場では2027年4月の展開が予定されています。価格は基本セットが449ドル(約6万5千円)、既存のSPIKE Primeユーザー向けアップグレードキットは199ドル(約2万9千円)です。教員向けには200時間分のトレーニングプログラムがオンラインで無償提供され、GitHub Educationとの連携による学生プロジェクト共有プラットフォームも構築される予定です。

文部科学省が検討中の「AI活用教育推進事業」での採用候補にも挙がっており、日本の教育現場でも大きな注目を集めています。OECDの「2030年に必要なスキル」レポートで重視される「AIリテラシー」を、K-12レベル(幼稚園から高校まで)で実践的に学習できる環境が整いつつあります。競合他社のMakeblockやVEX Roboticsも同様のエッジAI統合を2026年内に予定しており、教育用ロボティクス分野は新たな競争時代に突入しそうです。

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